春日部鮫史5 ドントビリーブザハイプ

そして僕は高校へと進学していく。

僕は元々頭がそこそこ良かった。
なんていうんだろう。勉強しなくてもそれなりに点数取れるタイプの人間だった。
僕が受験した高校は僕の住んでいたエリア、学区でその年の一番か二番くらいに倍率が高いところだった。
同じ中学から仲良かった友達も含め15人くらい受けて半分以上は落ちた。
のちに第三の唇として一緒にラップする事になるバーバーことチャンテツも落ちたし、のちに地元のバーベキュー神と周囲から崇められる事になる遠藤も落ちた。

俺は何てボケたかはもう覚えてないけど受験の面接の時に面接官を爆笑させた記憶がある。

僕は受かった事に喜んでいた。

だが友達は全員落ちていた。



この頃から人見知りを発動させていた僕は一気に不安になった。



でも行くしかなかった。


そしてこの頃、周りの友達のオシャレや、格好いいというものの価値観に対し首をかしげる事が増えていた。

というのも中学の卒業してから高校入学までの春休みの時。
皆で遊ぶ約束をしていて集合場所にそれぞれ自転車に乗って集まっていたのだが、少し遅れてきたサトシが新しいママチャリを買ったようでピカピカの茶色の自転車にまたがって登場した事があった。
はっきりいってただ新しいピカピカなだけのママチャリである。

でもそのママチャリを見て他の友達数人が
「サトシのチャリかっけーー!」とサトシのママチャリを誉め出した。
称賛の嵐。
しかも何故かサトシもちょっと満足気な顔をしている。




俺は冷静に見ていた。
ママチャリにかっけーもダセーもないだろうと。
中学時代からこういう謎なセンス称賛の場面を見たことがあったからなのか本当に僕は嫌気がさしていた。
例えば中学カバンの持ち方の格好いいカッコ悪いとか、ワイシャツの出しかたの格好いいカッコ悪いとか。
いつもくだらないなーと思いながら見ていた。


サトシなんてただ初体験がちょっとみんなより早かっただけである。
だからみんな尊敬してたのかな。


とにかくこの辺りから僕はなんでもかんでもどんな物や格好にもかっけーー!とかダセーー!とか言って価値観をわかちあったり押し付けたりする話題に反吐を吐いていた。



話は逸れました。
高校はまあとにかくつまらなかったですね。
地元の友達もみんなそれぞれ早々に学校を辞めていって僕もその流れに乗ろうとして行かなくなったりもしたんだけど、何故かまた通ってましたね。


この高校では、のちの春日部のギャグ怪人二百面相の関口が一緒だった。
彼は板垣氏やヤーボとか後藤と同じ中学で高校入学当時で言えば敵同士の学校のやつだった。
初対面の時も
「あ?お前どこ中??」
といきなり聞いてきて答えると
「は?◯◯中??駄目だよあそこは!」
と吐き捨ててどっかに行かれたりして印象は良くなかった。

でそこからもあまり仲良くもなかったんだけど一年の最後の方に鎌倉に遠足ってのがあって鎌倉に行った時。

季節は外れてたんだけど皆で海に入って遊んでたら僕はその時にどうやらPHS電話を落としていたようだった。
気づいたのが海を離れて少ししてからだった。
かなり焦った。
もう夕方だったし見つからないなと諦めるしかなかった。


でもその時
「多分さっきの海だろう、戻ろうぜ。」
そう言いながら真っ先に海の方向へ歩きだしたのが関口だった。

そして海に戻り皆を巻き込んで俺のPHSを探してくれた。
関口は海にいた地元のサーファーを「あいつら怪しいな」と睨み付けていた。


結局見つからなかったんだけど嬉しかった。
後日鎌倉警察から落とし物としてPHSは戻ってきた。
戻ってきてすぐにPHSのリダイヤルを見たら拾った誰かに時報にかけられていた。

それから関口とは仲良くなった。







話は変わってヒップホップを少し聞き始めるきっかけになったのは高校の頃だった。

それまではヒップホップと言えば2pacやエミネムとかは多少知っていた。
日本人ならGrateful daysが売れていたのもあったしZeebraを買って聞いたり、スチャダラパー、RHYMESTERとかを知ってるくらいだった。

で高校の友達とカラオケに行った時に友達が人間発電所を歌っているのを聴いて衝撃を受けた。
日本人の曲でこんな格好いいのあるの?って。
それで俺はすぐにブッダの黒船を買った気がする。

そして真似事レベルで紙にリリックを書いてみたりしてた。


でもこの高校の2年から3年の間は地元のしがらみで珍集団に加入する事になってしまって、なかなか辛い日常が続いた。
日々元締めの使いパシリ、事務所電話当番、偽造関係の製作とか気が休まる時があまりなかった気がする。
横浜と大宮の抗争というのに駆り出されたりもあったな。
大宮には埼玉からあちこち多分300、400人くらい集まってたんじゃないかな。
結局なにもなく終わったから良かったんだけど。
隼人って友達が武器がなくて画ビョウを三個くらい持ってたのが印象的でした。
目に刺すって言ってたけど。。。

ヤキいれられる事もあった。
でもこの頃の経験のおかげで人により優しく出来るようになったしイキがる事の意味のなさを学んだ。
別に僕がイキがっていたわけではないんだけど。
ありがたい日々。

でも会えなくなってしまった友達や後輩、逝ってしまった先輩もたくさんいる。
元気でやってるだろうか。



そして高校2年の頃は財布盗難事件が多発していた。
事件を重く見た学校、被害者が警察に通報した事によりそこそこ問題になった。

学校は全校生徒に対し無記名アンケートを取った。
学校内での盗難事件の目撃情報を。

僕は正直犯人を何人か知っていた。
盗った事を自慢してきたから。
でもまあそんなことはアンケートには書かず、犯人でない僕は余裕綽々でアンケート用紙に鼻くそと歯くそをつけて白紙で返してくれてやった。


すると珍事件が。
アンケートが終わった後の休み時間に隣のクラスの友人が僕のところに慌ててやって来た。
「どうしたんだい?」
とその友人に聞くと
「さっきのアンケート、俺の隣の席の女がスークンが犯人だって書いてたの見たんだよ!」



しばらく頭が混乱した。
僕?

僕?

やってないのに??

僕??
となっていた。






さらに珍事件は続き、警察も介入してきた事もあり財布盗難の真犯人が僕のとこにきて
「穏便に済ませたいからスークンからこの財布を◯◯さんに返してくれないかな??俺の名前は言わないでさ。。」
と頼まれ僕はそれを引き受け財布を預かり被害者の女の子に返した。
返したと言ってもその被害者の子とは面識がなかったので、これまた間に正義感の強い友人に入ってもらって真犯人の名前を明かさない事を条件に財布を返してもらった。




数日後、僕がこの財布盗難の犯人になっていた。


え?


僕??


僕が??


良かれと思ってやったのに??


本当に??

僕??


と頭が混乱した。



そして晴れて僕は警察に呼ばれ事情聴取をくらう事になってしまった。




悲しいよねぇ人間って。


この次の日僕は学校で自分の机を45mくらい投げ飛ばした気がする。
5mくらいかな。


僕を犯人に仕立てようとした女の子は慌てて謝りにきたがもう時は遅しだった。









僕の心には悪魔が住み憑いてしまったのだ。

悪魔が言う。
女なんか信じるなと。


悪魔が言う。
ブスは特に信じるなと。




そして休み時間に関口がMDウォークマンを聴いていたので僕はそれを聴かせてもらったら
関口がブッダの大怪我のインストで関口がラップしてる(リリックは原曲のまま、カバー)のを聴いて衝撃を受けて
「これどうやってやってんの??」
と聴いたら
「地元の宮下って奴がDJやってるからそいつんちで録音したんだよ。」
と言われて、関口が何故自分の声の大怪我を休み時間に聴いていたかなんてのはどうでもよくなって、俺もラップしたいと思った。





次回からいよいよラッパー編始まります。
[PR]

by kuchibuil4951 | 2014-04-02 13:48